第4回全日本ユース(U15)選手権レポート results albumn

初出場、初優勝を果たした埼玉選抜 念願の初優勝、原田学園・鹿児島情報クラブ
惜しくも優勝を逃した石川イーグルス 富山県選抜は準優勝
男子ベスト7 女子ベスト7
最優秀監督 有馬康一・原田監督&濱田卓・埼玉監督  男女MVP 女子・有馬優美(原田)&足立聖弥

男子 
埼玉選抜初出場、初優勝


「高校生も参加できる」この大会に、チーム全員が高校1年生というチームが出場してきた。埼玉選抜。秀明英光、埼玉栄、花咲徳栄の3校の合同チーム。メンバー14人のうち今年のインターハイに7人(秀明2人、栄5人)が出場、秀明・足立は埼玉国体チームの一員でもあった。チームは初出場であったが、中学生時代に神奈川県選抜、岐阜選抜(大垣市水球クラブ)から出場経験のある選手も多い。この埼玉選抜の出場で、関東ブロック予選では、大会の常連・上位チームであった神奈川県選抜、群馬ジュニアが敗退を喫するということも起きた。
 男子決勝は、この埼玉選抜と夏JOB区分優勝の石川イーグルスの対戦となった。予選リーグでは、7対6で石川が勝っている。石川は予選リーグを1位通過、決勝トーナメントでも原田学園SS、京都踏水会を大差で破って待望の決勝進出を果たした。埼玉も岡山県選抜、山口県選抜を難なく下しての決勝進出。
 JOで「中学生離れしている」と絶賛された石川のスピード。試合前に埼玉・濱田監督に感想を聞くと、「負けません」ときっぱり。その言葉にたがわず、試合は始めからハイスピードの展開となった。埼玉は試合開始早々「埼玉らしさ」を発揮。7番山田が連続速攻で2点連取した。石川も12番新井のシュートで2対1とするが、その後も埼玉の猛攻は続き、6対3で第1ピリオド終了。この3点差が、最後まで石川を苦しめた。第2ピリオドは双方4点ずつとって10対7。第3ピリオドは3−2、点差はさらに4点に広がった。
 この大会、3位決定戦以上は男女とも1ピリオド8分で行われる。一昨年5位、昨年6位だった石川にとっては、未体験ゾーンの試合時間であった。ゲーム終了後、石川・梶本監督は、「やはり8分はきつかった」とコメント。第4ピリオド半ばには、7点差がついた。そこで埼玉はメンバーチェンジ、スタメンを休ませた。あきらめない石川はそこから3点奪取、たまらず埼玉はスタメンを戻した。石川の意地を垣間見たシーンだった。その後、双方1点ずつとりあって17対13で試合終了、埼玉は初出場、初優勝を決めた。
 今年のインターハイで秀明、栄を破ったのは、石川の先輩たちが多くプレーしている金沢市立工業。この雪辱を今回埼玉が果たした結果となった。来年以降、彼らがより成長し体が大きくなり、持ち前のスピードに加え高い技術とパワーを兼ね備えるようになって再び相まみえるときが、今からとても楽しみだ。

桃太郎を制するもの...

 3位決定戦は、初出場の京都が山口を13対12で破って3位となった。京都は第1ピリオド4対1とリードしたものの、第2ピリオド以降は高校生3人が入った山口の猛追を受け、第4ピリオド残り41秒には12対12の同点とされた。残り17秒、京都4番北沢の決勝打で決着はついたが、京都にとっては薄氷の勝利となった。山口は大魚を逃したが、国体開催効果による実力アップで、ジュニアも全国でも十分戦えることを証明してみせた。
 5位決定戦はPT戦までもつれこみ、富山WPCが千葉県選抜を破った。千葉は関東予選で群馬を下して、初出場を果たしている。7番石井を中心とした得点力は見応えがあった。
 7位決定戦は、岡山県選抜が原田を18対11で破った。いずれも大会優勝経験を持つチームだが、今回は選手交代の過渡期で下位に甘んじた。
 今年、この大会の第1回チャンピオンである原田の選手たちが含まれる鹿児島南高がインターハイ、国体を制した。「桃太郎を制するもの、高校水球を制す」そんなキャッチフレーズが現実のものとなりつつある。

女子 原田学園鹿児島情報クラブ、4年越しの夢かなう

 男子中学生にとっても厳しい1ピリオド8分の壁。女子にとってはその厳しさはより増す。いや、決勝トーナメントの1ピリオド7分も、多くのチームにとってはその長さとの戦いであった。
 初の決勝進出を果たした富山県選抜は、JOC区分で優勝した富山スイミングパレスのメンバーに富山WPCのメンバーを加えたチーム。JOでは、強豪川口SCを訓練されたプレスディフェンスと華麗な攻撃力で粉砕したが、今回はその時のようなパワーは感じられなかった。決勝トーナメントの兵庫選抜戦でも中学3年生が受験勉強で練習不足というハンディのほかに、普段のゲームの約2倍の1ピリオド7分がかなりの重荷となっているようで、動きに精彩が見られなかった。
 一方の原田は、第2回大会では準優勝を果たしており、1ピリオド8分は経験済みだ。その時小学6年生ながらベスト7に輝いた有馬優美が、今回チームを引っ張った。これまではゴール前に陣取り、女子離れした力技で強引にシュートを重ねる姿が印象的だった。「最近はディフェンスもきちんとやるようになりました。そうすることで、攻撃のときどうディフェンスを交わすかということもわかってきたようです」と語るのは、監督であり父親でもある原田・有馬康一監督。今回は、ゴール前で豪快なフローターシュートを決めたかと思うと、3番からパス回しの起点となるなど、プレーの幅が広がってきていた。原田はマンツーマンで富山の攻撃の芽をつぶす一方で、多彩なオフェンスで危なげなく得点を重ね10対4で勝利。大会出場4年目で待望の初優勝をものにした。
 3位決定戦は、男子とともに初出場の京都踏水会が石川水球クラブを1点差で破って銅メダル獲得、兵庫選抜対山形水球クラブとなった5位決定戦は兵庫が勝利、7位決定戦は神奈川県選抜が地元岡山県選抜を下した。